技術協力

バングラデシュ国大気管理能力向上プロジェクトにおける訪日研修の実施 new!

2026.04.01

技術協力部長 青蝸S治

北九州市 日明工場様での視察

 バングラデシュ国、特に首都ダッカは深刻な大気汚染に悩まされており、レンガ工場やセメント工場からのばいじん、道路の巻き上げ粉じんが大きな課題となっています。こうした状況を改善するため、JICAでは大気環境モニタリングや固定発生源対策の強化を支援する技術協力プロジェクトを開始し、私も行政管理能力向上の専門家として参加しています。
 現地調査は大統領選挙の影響で延期となりましたが、日本の大気規制や行政の取り組みを学ぶため、先行して訪日研修を実施しました。研修員は、バングラデシュ環境・森林・気候変動省、ダッカ市、チョットグラム市で大気汚染対策を担当する皆さんです。


日鉄高炉セメント様での工場見学
 東京近郊での研修に続き、2025年12月15日・16日の2日間は北九州市で研修を行いました。初日は、北九州市環境監視課の梛原様より「北九州市における大気汚染対策の取り組み」についてお話しいただき、実務に基づく内容に研修員からも多くの質問が寄せられました。午後は日鉄高炉セメント様の工場を見学し、粉じん対策が大きな課題となっているバングラデシュの研修員にとって、日本の取り組みは大変参考になったようです。天候にも恵まれ、管理棟屋上から見渡したクリアな工場風景に、北九州市の良好な大気環境を実感していました。

 翌日は北九州市日明工場様で排ガス測定の現場を視察し、午後には環境監視課による立入検査を見学しました。書類中心の検査内容が理解しやすいよう、私から補足説明を行いました。研修員は自分の担当分野になると特に熱心で、活発な質問が続き、大気汚染対策への強い意欲が感じられました。
 今後は2026年5月に現地を訪問し、大気汚染の実態調査や立入検査の状況を確認したうえで、日本の経験を活かした管理能力向上セミナーを開催する予定です。