国際研修部トピックス

2021年度:遠隔研修 「持続的な都市開発のための都市経営(A)」コース
オンラインリモート研修で、来日研修では味わえない苦労しました

2021年11月10日〜2021年12月3日

コースリーダー 山根 信

オンライン・リモート研修中の集合写真

 アジア・アフリカ地域を対象にした英語コース(A)では、講義のビデオ教材によるオンデマンド自習と各国の時差を考慮した上で行う毎日約2時間のライブ(対面講義)を併用しました。特に、ライブ研修であれば、来日研修と同等の研修ができるものと期待しておりましたが、以下の3つの問題でかなり苦労しました。

1.不安定な通信環境
 アフリカ・南アジアでは、Zoom画面の停止や一時停電が見られるなど、通信状態が不安定で、対面での討議が十分に行えませんでした。一部の国では、良い通信施設を持つホテルや事務所が利用できるように、現地JICA職員と協力して、適切な通信環境を準備・設営する努力をしましたが、それでも通信が難しい地域では、ライブ受講後のビデオ配信しかできませんでした。

2.通常の就業と研修受講の両立
 リモートでのオンライン研修では、通常の就業をしながら、職場や自宅で研修を受けるという研修員がほとんどで、研修受講と研修関連レポート作成を含めた研修スケジュールは、研修員に厳しい実態でした。研修員からの質問も週末の休日に集中し、且つ講師への質問内容や研修員への回答を翻訳することも含めて、適宜相互コミュニケーションをとるために、コーディネーター側の対応は煩雑を極めました。
 また、アクションプランの作成や研修員同士のコミュニケーションのために、通常の研修時間に加え、ZOOM会議時間でのプラットフォームを設定し、自由参加で活用する機会を設けるとともに、WhatsApp等のスマートフォン・アプリを活用して研修員同士の交流の場を設けて補完をしました。

3.英語が不得意な研修員
 英語が不得意な研修員とのレポートのやり取りでは、研修員が連絡事項をより理解できる言語(アラビア語・フランス語)に翻訳ソフトで変換し、英語併記でコミュニケーションする等の苦労もありました。

 上記のような苦労もありましたが、研修員や講師を始めとする関係者の皆さんとともに、楽しく有効な研修を実行できるようにお互いの努力を重ね、終講時にはその研修成果に対する高評価も得られました。コロナ禍の厳しい環境でも、研修を実行できて良かったと、改めて大変感謝しています。